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2008年12月28日

危険がいっぱい③

蜘蛛の巣に引っ掛かってから、ボクは不動の境地に達していた。

と言うのも、蜘蛛の巣と言うものは、
捕えられた獲物が暴れた震動を宿主である蜘蛛に伝えるため、
逆説的に、動かなければ蜘蛛に捕らわれたことを察知されないのだ。

そんな話を、テレビの生物系の番組で見た記憶があるので、
ボクは、その乏しい知識にすがることにしたのだ。

それは一種の賭けだった。

もし、ボクの知識が間違っていたら、ボクは何もできずに死んでしまう。
それに、知識が当っていても、蜘蛛に察知される可能性がゼロではない。

・・・ボクは、「彼方からの助け」を期待し、ただ待つことにしたのだ。

まぁ、結果から言うと、その賭けには勝ったのだが、
風が吹くたびに妙に震動する巣の上で、いつ気付かれるか知れない恐怖と戦い、
いつ死ぬかわからない、生死の狭間を彷徨っていたことは変わらない。

正直、もう二度とこんな経験したくない。

ボクは、狭い所では蜘蛛の巣に注意しようと心に誓いながら、
微動だにできない状況を耐え、ついに待ち望んだ助けを得たのだった。

そう、その助けとは、ボクの母親・・・

・・・まぁ、母にとっては、「蜘蛛の巣の掃除」でしかないのだが、
それでも、箒の柄で蜘蛛の巣は破壊され、ボクは逃れることができたのだ。

母への感謝は測り知れない。

しかし、母は蝿(ボク)がくもの巣に引っ掛かっていたことに気付くと、
躊躇無く、持っていた箒で蝿(ボク)を叩き潰そうとしやがりました。

・・・母への恐怖は測り知れない。

まぁ、どうにかこうにか、
ボクは母に叩き潰される前に、蜘蛛の巣から逃げ出し、大空へ逃げたのだった。


・・・ふぅ、また親に殺されかかったよ。


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Posted by landmale  at 18:14 │Comments(0)小説

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