Sky and Fly ―いつか見た青空―

今思い出しても、ボクは随分とギリギリのラインにいた気がする。

もうちょっと運が悪ければ、死んでいただろう。
そう言う意味では、ラッキーだったと思う。

まぁ、蝿になっていること自体はラッキーなわけないが。

でも、生きているだけでラッキーと言えばラッキーだ。
・・・うん、だから、全体的にはラッキーなのだろう。


さて、そんなわけで、どうにかこうにか命を繋いだボクだが、
今になって、ボクは一つのことを悟ったのだった。

それは、「生きていくにはプランが必要だ」と言うものだ。


と言うのも、今までのボクはあまりにも行き当たりバッタリ過ぎたからだ。


だって、考え無しに部屋に留まっていて殺されかけて、
で、考え無しに空を飛んでて喰われかかって、
んで、考え無しに蜘蛛の巣に絡め取られたのだから。

最終的にはどうにか助かっているが、どれも綱渡りだった。

いつまでも考え無しに生きていける程、
世の中・・・と言うか、自然界は甘くないのだ。

ボクの状況はホームレスよりも悪い。
だって、彼等は飢えや寒さを凌ぐだけでいいのだから。

でも、ボクは、その前に「身の安全」を確保しなければならないのだ。
（もちろん、そのうえで、飢えや寒さを凌がなければならない）


今まで微温湯の生活をしていたボクにとっては家に住めないだけで大変なのに、
敵に襲われる可能性が常に付きまとい、その上、飢えや寒さを凌がなければならない。

いきなり戦場に駆り立てられて、後は頑張れって放置されたようなものだ。

・・・イマイチたとえがシックリ来ないけど、
とにかく、ボクはかなり大変な状況に置かれているんだ。

もう、泣きたくなっちゃうよ。

まぁ、蝿は鳴けないんだけどね!!
・・・その代わりに心の中で号泣してやる!!


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